与信判断に使う財務指標まとめ|決算書のどこを見るか
取引先の与信判断で、決算書のどの数字を見ればよいか迷う方に向けて、確認したい主な財務指標を安全性・収益性・資金繰りの観点で整理します。指標の意味と、部門で判断基準を標準化する考え方、Analygent Businessを活用した効率化の方法もあわせて紹介します。
この記事でわかること
- 与信判断で確認したい主な財務指標の種類
- 貸借対照表・損益計算書・キャッシュフローの見るポイント
- 指標を単体で見ずに組み合わせて捉える考え方
- 部門で与信判断の基準を標準化する方法
与信判断で財務指標を使う目的
与信判断における財務指標は、取引先が支払いを継続できるか、財務の土台が安定しているかを、共通のものさしで確認するために使います。決算書の数字をそのまま読むよりも、比率などの指標に整理することで、規模の異なる企業どうしを比較しやすくなり、社内での評価基準もそろえやすくなります。
ここでは、安全性・収益性・資金繰りという三つの観点から、代表的な指標を整理します。いずれも一つだけで結論を出すものではなく、組み合わせて全体像を捉えることが前提です。
安全性に関する指標:財務の土台を確認する
安全性の指標は、貸借対照表(BS)から確認します。取引先が短期・長期の支払いに耐えられる財務構造かどうかを見る観点です。
- 自己資本比率:総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務基盤が安定していると捉えやすい
- 流動比率:流動資産と流動負債の比較。短期的な支払い余力の目安
- 固定長期適合率:固定資産が自己資本や長期資金でまかなわれているかの目安
これらは業種によって標準的な水準が異なります。たとえば在庫や設備の多い業種と、そうでない業種では、無理のない比率の目安が変わります。自社の取引先が属する業種の傾向も踏まえて評価することが大切です。
収益性に関する指標:稼ぐ力と推移を見る
収益性の指標は、損益計算書(PL)から確認します。事業として利益を生み出せているか、その水準が安定しているかを見ます。
- 売上高営業利益率:本業でどれだけ利益を残せているか
- 売上高経常利益率:本業に加え、財務活動を含めた経常的な利益水準
- 利益の推移:単年度ではなく複数期での増減傾向
与信の観点では、利益の絶対額だけでなく、複数期の推移を見ることが重要です。利益が継続して確保できているか、急激な変動がないかを確認することで、一時的な要因か継続的な傾向かを見分けやすくなります。
資金繰り・キャッシュフローに関する指標
利益が出ていても、資金繰りが厳しい状態は起こり得ます。与信判断では、キャッシュフロー計算書(CF)や、その推計から、現金の動きを確認します。
- 営業活動によるキャッシュフロー:本業で現金を生み出せているか
- 営業CFと投資CFのバランス:事業活動と投資の関係
- 借入の規模と返済負担:債務が過大になっていないか
営業活動によるキャッシュフローが継続してプラスかどうかは、支払能力を見るうえで有用な観点です。利益・資産の状況とあわせて確認することで、判断材料の偏りを減らせます。
指標を組み合わせて判断材料を整理する
ここまでの指標は、いずれか一つで取引先を評価するものではありません。安全性が高くても収益性が低下傾向にある、収益性は高いが資金繰りに注意が必要、といったケースもあります。複数の観点を並べて確認し、判断材料として整理することが、与信判断の質を支えます。最終的な与信の判断は、自社の取引方針や担当者・組織の判断にもとづいて行うものであり、指標はあくまでその材料を整理するためのものです。
部門で判断基準を標準化する
確認する指標や評価の観点が担当者ごとに異なると、与信判断にばらつきが生じます。あらかじめ確認する指標を決め、同じ形式の資料で取引先を評価できるようにしておくと、担当者が変わっても前提をそろえやすくなります。
指標の水準は業種や規模で異なる
同じ指標でも、適切とされる水準は業種や事業規模によって異なります。たとえば、在庫や設備を多く抱える業種と、そうでない業種では、無理のない流動比率や自己資本比率の目安が変わります。指標を評価するときは、絶対的な基準だけで判断せず、同業種の傾向や、その取引先自身の過去の推移と比べる視点を持つことが大切です。
定量情報と定性情報をあわせて見る
財務指標は定量的な判断材料ですが、それだけで与信判断が完結するわけではありません。経営者の方針、取引の継続性、業界環境といった定性的な情報とあわせて見ることで、数字の背景を理解しやすくなります。指標はあくまで判断材料を整理するためのものであり、最終的な与信判断は、自社の取引方針や担当者・組織の判断にもとづいて行います。
Analygent Businessを活用した効率化
Analygent Businessは、取引先の決算書PDFをAI-OCRで読み取り、最大3期分の財務指標を自動で整理します。安全性・収益性に関わる指標の確認や、キャッシュフロー分析、損益分岐点分析までを支援するため、指標を手作業で計算する負担を軽減できます。組織で同じ形式の分析資料を作成しやすくなり、部門での与信判断の標準化を後押しします。
導入をご検討の方へ
Analygent Businessでは、決算書PDFをAI-OCRで読み取り、財務分析レポートの作成までを支援します。法人・組織向けに、部門・ユーザー管理、作業ファイルの保持、月次請求、請求書・領収書発行にも対応しているため、複数担当者での継続利用にも適しています。
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